中学受験と一言でいっても、この言葉の背景に人それぞれの思いや考えがあるはずです。
理想の教育、子供の学力、家庭の生活レベル、将来への展望等、十人十色、百人百通りの思いや生き様がそこには溢れています。
また、最近では、一昔前の私立中学だけの寡占状態から、公立の中高一貫校増加により選択の幅も広がり、これまで受験をあまり真剣に考えていなかった層まで裾野が広がっているように感じます。
受験できる学校が増えたとはいえ、私立中学・一貫タイプの公立中学問わず、希望の中学へ入るにはそれなりの努力が必要です。
子供自らが中学受験を希望し、自然に机へと向かえるようなタイプなら問題ありませんが、親が受験させようと考え、家や塾で勉強漬けにする場合は、親子共々、大変な労力を要します。
子供らしい内面を育む大切な時期に、勉強詰めの毎日でストレスに押し潰されては、その後の子供の発育に悪影響を与えかねません。
自由な校風、厳格な校風、共学校か男女子校か、はたまた通常の公立中に通わせるのか、ご家庭の考えや子供の伸びしろ、性格的な向き不向きなど、多角的に検討することをおすすめします。
- 「将来いい大学に入ってほしい!」
- 「周りの子も受験しているからウチの子も…」
- 「私が通っていた学校へ子供も通わせたい!」
- 「公立中学なんか信頼できない!」
- 「隣の家の子より、もっと難関校を受けさせたい!」
など、親はどうしても、子供に対して能力以上の期待や、自分の価値観を押しつけがちです。
親自身の満足感のために子供を導くのではなく、子供の個性を再分析し、子供にどのような方向性を持たせたら最善かを、子供と一緒に考え意見を出しあうことが大切だと思います。
その結果、導き出された回答が「中学受験」という目標ならば、きっと子供もそこへ向かって乗り越えようと努力することでしょう。
スポンサーサイト
目的を持って物事を推し進めると、多少のブレが生じても軌道修正でき、絶対的なパワーを持って突き進めることができるようです。
日頃、「勉強しなさい!」とつい口癖のように言ってしまいがちですが、受験勉強も、入学後の勉強も、学生生活を送る上でのひとつの目的に過ぎません。
友達と遊ぶこと、クラブ活動を通して仲間と触れ合うこと、集団生活を通して人とのつながりを感じ取ることなど、これらすべてが勉強と同様に一生の財産になりうる大切な教育の場です。
親が無理強いしなくても、子供ながらに一生懸命に考え、自ら学習する大切さを学び、先生や先輩を尊び、友達との関わり合いから互いの才能を刺激し、感化し合い、自ずと成長を遂げていくことでしょう。
中学受験という、人生最初の節目ともいえる大切な時期を迎えるにあたり、子供自身が自らの将来を考えるだけでも、とても有意義な取り組みだと思います。
近い将来後悔しないためにも、受験するか否かを決める前に今一度、親子で膝を突き合わせて話し合ってみてはいかがでしょうか?